外反母趾になるメカニズム

平成23年厚生労働省の患者調査では、外反母趾(後天性)の総患者数が3,000人と報告されています。米国では人口の6%が足の怪我、外反母趾、偏平足を抱えているという推計があります。今回は、多くの方がお悩みの「外反母趾」に焦点を当ててみました。

外反母趾が起きる原因

外反母趾は母趾の骨が突き出し、赤く腫れたり痛みを伴う足趾の変形です。外反母趾は回内の働きにより、関節にかかる負荷が増大し、変形に至ります。変形がひどい場合は脱臼をしたり、隣の指の下や上に母趾が乗ってしまう人もいます。

正常

(1)正常

正常な骨格配列の足です。回内の動きでアーチが潰れ扁平足になることにより、母趾と2番目の指との間が開きます。

アーチが無い状態

(2)アーチが無い状態

第一中足骨が内側に倒れ、本来足裏にある種子骨(赤丸で囲った小さい骨)が右側に見える状態になっています。これにより、母趾の関節の位置が本来の位置からずれてしまい、適切な動きが制限されてしまいます(制限母趾・外反母趾の変形をもらたします)。

外反母趾

(3)外反母趾

母趾が外側に突き出ることで、力学的にさらに変形を増すこともあります。次第に母趾は隣の指の方を向き、「くの字」になります。

外反母趾は「なりやすい人」と「なりにくい人」がいると言われています。ハイヒールや靴などのフィットウェアが直接的な原因とは言えず、男性や子供でも外反母趾になり、裸足で生活をする民族にも外反母趾がみられるという報告もあります。
「Incidence of Hallux Valgus in a Partially Shoe-wearing Community」(shine ⅠB:Incidence of Hallux Valgus in a Partially Shoe-wearing Community. Brit Med J7, 1965, 1, Ⅰ648-50)

外反母趾の対策は

外反母趾は「進行性の病気」です。そのため、なりやすい足を持つ人は、年月をかけて悪化をしていく可能性があります。今、痛みが無い場合でも年齢とともに歩行に問題が出たり、変形が悪化して履きたい靴が履けなくなってしまったりすることもあります。

外反母趾が悪化した場合、外科手術でなければ見た目を治すことが出来ません。悪化をする前に、適切なアーチサポート機能があるインソールを着用することが大切です。インソールは柔らかいタイプのものは避け、固くしっかりしたものを選び、かかと部分が固く、土踏まず部分は自身の足のアーチを適切な状態に保ってくれるちったい構造のものを選ぶようにします。自身の足に合うインソールの着用は、仮性の制限母趾を解消させる場合が多いようです。既に外反母趾の症状が気になる場合は、迷わず専門の行インを受信するようにしましょう。